ネタ化する社会

 ネットのニュースで見たんだけど、裁判員の通知が来たことをブログで報告している人が結構いるらしい。問われるモラルだ。知らなかったんだけど、別に匿名だったらブログで言ってもいいらしい。しかし本人と分かるように報告しているのがいて、それが問題らしい。

 これだけネットが発達した現代では当然起こりうることだろうし、テレビでこんだけ話題になっていて、無作為に抽出されて「誰になるか」、「自分のとこ来たらどうしよ」って言ってるときに自分のところにきたら
そりゃ言いたくもなるわな。人間の心理だと思う。

 もう現代において、「絶対秘密」なんてありえないと思う。大学生の就職の採用面接とかでも何を聞かれたかなんてその日の夕方にはそういう掲示板ではUPされていて人事の人も頭を抱えてる、なんて前に見たことがあるし。オープンになることがいいのかもしれないけれども、それで困ったことが起きるのもまたあるわけで。

 しかし、このネットでの報告、ブログの一般化などで爆発的に増えていると思う。日常の「こんなことがあったよ」とかをUPしていくんだろうが、カメラ付携帯とかの普及もあり、街や日常の様々なことを瞬時にネットに掲載できるようになった。もはや誰もが報道する者になれるわけだが、時に差別的なものや公序良俗に反するものが現れる。それらがネットで話題になれば「炎上」という事態も招く。注目されたい、という心理は人間の自然な欲求かもしれない。それゆえ、日常のレポートがぎゃくにレポートするための日常へと変質している転倒もある気がする。ブログに乗せたいがゆえの行動をしてみたり、色々な体験をしている最中でも「これをブログで書くにはどうかいたらいいか」と常に意識してしまう態度だ。数年前にテレビの特集でそういう主婦がいた気がする。本末転倒かもしれないけど、それがこのネット時代の特徴かもしれない。なかなか言いたいことがまとめられていないけれども、こうしたことを私は「ネタ化する社会」と呼びたい。すべては「ネタ」なのだ。ネットで公開して「自分はこんな面白いことをした、考えた、人とは違うんだ」といったことをアピールするのだ。そして、SNSでは同質な仲間とそれを共有し、時に笑いあうのだ。テレビのバラエティー番組の影響もあるかもしれない。

 芸能人(というかお笑い芸人)のブログを見ていて思うのだが、まず、写真が多用されているように思う。そして、内容のほとんどが、「今日は○○と会った(○○は芸能人)」ということと何を食べたということだと思う。そこから見えるのは「自分はこんな人と付き合いがあるんだぞ、テレビに出ているあの人だぞ、どうだ、うらやましいだろ」みたいなことや「珍しい○○を食べた、うまかった、いいだろ」というようなことだ。仕事風景やオフショット的なものももちろん多い。ただの日常をブログでわざわざ言うことはないだろうが、かといって見ていてもこれらのことばかりなので、正直、「それ以外ないのかよ」と思う。使う人にもよるのだろうが。

 ともかく、まだまだまとまっていないが、ちょっと思ったことをとりあえず書いてみた。