読書について

折に触れて読書ネタを書いているが、私は読書が好きだ。単なる本を読む、ではなく、客観的に読書という行為や方法、蔵書や収納などにも興味がある。そういった類のことが書かれている本も読むし、興味がある。

読んでいた本に「あと残りの人生で何冊本を読めるか」というような文章があり、ハッとさせられた(『つながる読書術』p190)。たしかにそうだ。今の世の中、年間8万冊と言われる程本が刊行されているそうだ。そんな中でいかに自分に有益な本を読むべきか。そして、くだらない本を読まないか。

あと何年生きるか分からないけれど、30歳になる今年、80歳まで生きるとしたらあと50年、還暦までは60年。そう考えるともう折り返し地点だ。もともと読むスピードは遅い方だが、最近遅くなったと感じる。仮に1週間に1冊読むとしたら年間約50冊。頭がクリアに読めるとしてあと30年、そうすると1500冊しか読めない。たったそれだけなのだ。今、自分の部屋にはおそらく約2500冊の本があるが、その程度なのだ。びっくりする。前述の著者は1日1冊を自分に課したとのことだが、そうすると年間365冊、30年で1万冊ちょっとだ。
とてもではないが、そんなことではこの膨大な情報の世の中におっつけない気がした。せっせと読んでいる間にも続々と本は刊行されていくのだろう。
(そういえば、中谷彰宏氏は著書で大学時代に90分の講義で最前列で10冊読んでいたらしい。しかもしっかり授業を聞いたうえで、だ。いやはやすごい)

日本人は読書をする国民だと言われても、現実的に1ヶ月に1冊本を読むという人がほとんどいないらしい。だからちょっと読めばすぐに読書に関しては上にいけるらしいが、おそらく読む人と読まない人で二極化しているのだろう。先の著者は別の著書で本を読まない人に対してこんなに分からないことが多すぎる世の中で本を読まずに生きられるなんてすごいと言っていた。もちろん逆説的に皮肉っているのだけれども。

ともかく、こんな世の中の知について知りたいと望んでも、有限の人生の中で全てを知り尽くすことなんて到底できないんだなぁ、その中のごく一部を知って、消えていくのだなぁと思うと悔しいものだ。もちろん読書だけで得られないことだってあるし、読書にあてる時間だけが人生でもないけどね。